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定番から希少品まで!ピアノメーカー・ブランドカタログ

有名どころから希少品まで
ピアノのメーカー・ブランドまとめ

有名どころから希少品まで、ピアノメーカーは実にさまざま。ピアノメーカー・ブランドを一部紹介します。

国内メーカー

YAMAHA(ヤマハ)

明治・大正・昭和を通し、オルガン、ピアノ、ハーモニカなどを製造、戦後にはオートバイやエレクトーンなども開発・製造している、世界的に高い知名度を誇る楽器メーカーです。

予算 音色 タッチ デザイン
30~100万円台 クリアで弾けるような音 軽め スタンダード&シンプル

YAMAHA(ヤマハ)のピアノを愛用するアーティスト

ピアニストの「仲道郁代」さんは、4歳からヤマハピアノ教室の前身である「ヤマハオルガン教室」に通っていて、その頃からヤマハのピアノを愛用されています。

当時購入したアップライトピアノは今でも大切に保管しているとのこと。国内でも知名度の高いメーカーだけあり、ほかにも坂本龍一さんや槇原敬之さんなど、多くのアーティストがヤマハのピアノを使用しています。

クラシックにとどまらず、幅広いジャンルのアーティストがヤマハのピアノを愛用されており、その質の高さが伺い知れます。

KAWAI(カワイ)

カワイの創業者は元々ヤマハにいましたが、独立ののち、自身の会社でピアノを作るようになりました。日本における功績を称えられ、1953年に天皇陛下より藍綬褒章を受章しました。

参照元:KAWAI公式HP/沿革

予算 音色 タッチ デザイン
30~100万円台 優しい音 ヤマハより少し重い スタンダード&シンプル

KAWAI(カワイ)のピアノを愛用するアーティスト

ヤマハと並ぶ有名国内メーカーのカワイは、盲目のピアニストとして有名な辻井伸行さんが、幼少期から愛用していたピアノメーカーです。

また、クラシックピアニストではありませんが、X-JAPANのYOSHIKIさんがメディアの前で弾いているスケルトンのピアノもカワイのピアノなのだとか。

国内の方は、カワイといえばYOSHIKIさんを思い出す人も多いかもしれませんね。 あのスケルトンのピアノは完全受注生産で、およそ650万円で購入できるそうです。

APOLLO(アポロ)

現在もピアノを製造している国内メーカー東洋ピアノのブランドです。アップライトピアノに力を入れたブランドでありながら、グランドピアノのような、艶がある豊かな、深く響く音色を生み出すことが特徴です。

予算 音色 タッチ デザイン
50~100万円台 グランドピアノ
のように響く
普通・レスポンスが良い クラシカル&キュート

APOLLO(アポロ)のピアノを愛用するアーティスト

アポロを使用されているアーティストに国内で活躍するピアニストの「岡崎ゆみ」さんがいらっしゃいます。

多くのコンサートでクラシックの演奏を行われているピアニストで、現在もさまざまなコンクールに参加されています。

自宅でのレッスン用に購入されたとのことですが、東洋ピアノの担当者が使いやすいものを提案してくれ、とても気に入って使われているご様子です。

SCHWESTER(シュベスター)

手作りピアノの伝統を強く残している国産ピアノメーカーです。職人、技術者が部品ひとつひとつを手作業で作るため、量産販売はしていません。その代わり、世界でたったひとつしかないオリジナルピアノもオーダーが可能です。

予算 音色 タッチ デザイン
45~100万円台 繊細で艶のある音 普通 クラシカル&ナチュラル

SCHWESTER(シュベスター)のピアノを愛用するアーティスト

「シュベスター」のピアノを愛用していたアーティストとして知られているのは、昭和に大変活躍した作曲家の「高木東六」です。

クラシックをはじめ、オペラやポップなど、幅広いジャンルの作曲にシュベスターを使用してきました。

また学校の校歌も数多く作曲していますので、音楽に携わる人であればご存知の方も多いと思います。

OHHASHI(大橋ピアノ)

「あくまで自分の理想とするピアノを作りたい」という想いで、天才ピアノ職人・大橋幡岩が、設計・自社製造したピアノです。生産台数が4639台と限られており、もし状態の良いものを見つけたら大変貴重です。深みのある音色が素晴らしいのも特徴です。

予算 音色 タッチ デザイン
80~150万円台 深く響く重厚な音 重めだが返りが早く弾きごたえがある クラシカル&シンプル

OHHASHI(大橋ピアノ)のピアノを愛用するアーティスト

「OHHASHI」のピアノを使用されているアーティストには、和を表現するピアニストとして浜松を中心に活動している「森山雪子」さんがいらっしゃいます。

音楽事務所も運営されており、幅広く活動されているピアニストです。

大橋ピアノの使いやすさに惚れ込み、購入されたとのこと。大変満足されているご様子です。

FRITZ KUHLA(フリッツ クーラー)

東洋ピアノ製造が1960~70年代に出していたピアノブランドです。当時はピアノブームで、素材も技術も安定していた時代であったため、現在は中古でしか入手できませんが、とても品質の良いピアノが残っています。

予算 音色 タッチ デザイン
35~100万円台 伸びが良く柔らかい音 普通・反応が早い クラシカル&キュート

FRITZ KUHLA(フリッツ クーラー)のピアノを愛用するアーティスト

「フリッツ クーラー」を愛用されているピアニストには、「西章江」さんがいらっしゃいます。

2008年に渡米し、演奏家として、またピラティスインストラクターとしてもさまざまな経験を積まれている方です。

フリッツクーラーのピアノは、アメリカから日本まで持ち帰ってきたほど気に入られているご様子。

メンテナンスにもとてもこだわっており、ピアノを大切にされている姿勢が伝わってきます。

海外メーカー

Steinway&Sons(スタインウェイ&サンズ)

ニューヨークとドイツのハンブルグに拠点を置くピアノメーカーで、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーと並び、世界のピアノメーカー御三家のひとつと言われています。1853年に設立されて以後、1世紀以上に渡ってさまざまなメーカーに模倣されるほど、高品質のピアノを製造しています。

予算 音色 タッチ デザイン
250~500万円台
※グランドピアノは600万円~
華やかできらびやかな音 重いが軽やか クラシカル&シンプル

Steinway&Sons(スタインウェイ&サンズ) のピアノを愛用するアーティスト

スタインウェイ&サンズは、「スタインウェイ・アーティスト」としてなんと世界中で1,600名(※)ものピアニストがスタインウェイ&サンズのピアノを使用しています。

中には世界的に有名なビリー・ジョエルや、ダニエル・バレンボイム、ダイアナ・クラールなどが代表的です。

存命していないピアニストの中にも、スタインウェイ・アーティストとして活躍したピアニストが多数存在します。

※参照元:スタインウェイ・ジャパン公式HP/スタインウェイ&サンズ社の160年

PETROF(ペトロフ)

ペトロフのピアノは、海外のブランドながらリーズナブルに購入できる価格が魅力です。手作りにこだわるため、丁寧に作られたピアノからは、懐かしさを感じさせるぬくもりのある音を奏で、人を魅了させます。

予算 音色 タッチ デザイン
80~160万円台 ベルのような優しい音 しっかりとしたタッチ クラシカル&ナチュラル

PETROF(ペトロフ)のピアノを愛用するアーティスト

ペトロフのピアノを使用したことがあるピアニストとして、国内では加古隆さんやかの中村紘子さん、海外ではリチャード・クレイダーマンやレイ・チャールズなどが挙げられます。

そのほか、オスカー・ピーターソンやスヴャトスラフ・リヒテルなど、ほかにも数多くのピアニストがペトロフのピアノで素晴らしい演奏を披露しています。

SAUTER(ザウター)

ザウターは、現存するピアノメーカーでも老舗であるドイツのメーカーです。現在でも、こだわり抜いた木材と技術を用いて、芸術品とも呼べる美しいピアノを造り続けています。

予算 音色 タッチ デザイン
200〜860万円台 ダイナミックに広がる音 重め シンプル~トラディッショナル

SAUTER(ザウター)のピアノを愛用するアーティスト

ザウターのピアノを愛用している個人ピアニストはあまりおらず、コンサートホールや音楽堂などのステージに置かれている事が多いようです。「オスロ歌劇場」「パリ国立高等音楽院」「神戸芸術センター シューマンホール」などで使用されています。

ファツィオリ

予算 音色 タッチ デザイン
要問い合わせ 上品で色気のある音色 とても軽く触れるだけで音が出る印象 科学と伝統の掛け合わせによる美しいデザイン

ファツィオリのピアノを愛用するアーティスト

ファツィオリを愛用しているピアニストには、ジャズ界の巨匠として知られるハービー・ハンコックがいます。また、日本でも有名なクラシックのピアニスト、スタニスラフ・ブーニンも愛用者の1人です。長年スタインウェイのピアノしか導入していなかったニューヨークのジュリアード音楽院が2010年にファツィオリを導入した時には大きな話題となりました。

【特集】その他国産の隠れたピアノメーカー

各ページで説明したピアノメーカー・ブランドの他にも、中古市場には国産ピアノがまだまだたくさん出回っています。もう存在していない会社のものがほとんどですが、それぞれに個性があり、魅力的な音を奏でてくれます。

知名度があまりないため価格もお手頃である場合がほとんど。ショールームなどで見かけた際には、試弾してみると、思いがけない出会いになるかもしれません。紹介するブランドは以下のものです。

  • アトラス
    アトラスは国立音楽大学が指定していた、木製手作りピアノのメーカーで1970年代には、日本の一般家庭でよく使われていました。高いデザイン性とピアノ音楽の理想と呼ばれるほど追求された音色が特徴であり魅力でした。1980年代になりピアノの需要が落ち込んでしまったことをきっかけに、廃業。30年~40年ほど前に製造されたものでも、まだまだ、長く使えます。
  • ディアパーソン
    日本が戦後間もない昭和23年、日本でもヨーロッパ製のピアノに負けない理想的なピアノを作ろうという目標を掲げ、当時ヤマハの技術部長であった大橋幡岩氏がドイツのべヒシュタインピアノをモデルとして設計・製作したのがディアパーソンです。実力派のピアノと呼ばれており、ブランド力ではなくピアノそのものの性能を大切にして選びたい、という人におすすめ。平成29年6月1日に株式会社河合楽器製作所(カワイ)と合併しました。現在はカワイが製造販売をしています。
  • ローゼン クランツ(IKピアノ)
    ローゼンクランツは、国産メーカーであるIKピアノが製造するピアノブランドです。特徴はまろやかな音色で、ピアノ職人が集まっている静岡県浜松市では人気が高く、職人がおすすめするピアノブランドなのだとか。製造元が鍵盤製作所だったことから、特に鍵盤にはこだわりを持って製造されています。最近はあまり見かけることがなくなってしまったブランドではありますが、特徴的な音色が好きで、ローゼンクランツのピアノを好んで探している人もいるほどの人気が今でもあります。
  • シルバー スタイン(東海楽器)
    東海楽器で製造されているピアノブランドが、シルバースタインです。1947年にカワイ楽器出身の技術者が集まってできた会社ですが、当初はピアノを製造せずに会社運営を行い、経営が安定してきた1978年からピアノ製造は始まりました。ドイツのメーカーであるシンメル社のピアノを研究し、ピアノの小型化に成功しています。とてもクリアな音色が魅力で、家庭などの大きくない部屋でも美しい音色が楽しめるとして、ファンも多いピアノブランドです。
  • エルンスト ホーマイヤー(スタインリッヒ)
    スタインリッヒにて製造されるピアノブランドです。三葉楽器製作所が2つに分かれたことで、スタインリッヒ製作所が誕生しました。伝統に基づき、品質を第一に考えて作られているピアノです。ただし、現在ではエルンスト ホーマイヤーは製造されておらず、1988年ごろまでのピアノしか現存していません。ピアノとしての品質は非常に高いため、現在でも愛され続けています。
  • ゲルス&カルマン(大成ピアノ)
    ゲルス&カルマンは大成ピアノにて製造されていたピアノブランドですが、大成ピアノが廃業をしたため、現在では製造されていません。ピアノの脚が猫脚のようにカーブしていたり、ドイツ製の部品を使っていたりと、おしゃれなフォルムで見た目も美しいピアノでした。音色にも重厚感があるため、玄人向けとも言われていたほど。30年ほど前のピアノでも、まだ使っている人はたくさんいます。腕利きのピアノ職人が多くいたという大成ピアノの作ったゲルス&カルマンは、今でも美しい音色を奏でるピアノが多く現存しています。
  • フローラピアノ(アールウィンザー)
    かつて静岡県浜松市に拠点を置いていた「フローラピアノ製造株式会社」で製造されていたピアノが「フローラピアノ」です。柔らかく、深みのある音色を楽しめるピアノで、フローラピアノのブランドとしては「アールウィンザー」が有名。シャープで重めのタッチが特徴で、演奏する曲を選び、弾き手の好みが大きく別れる独特なタッチです。
    今でも多くの人がこのピアノを愛用しているようですが、昭和61年ごろにフローラピアノ製造株式会社は廃業してしまったため、現在は生産されていないピアノとなっています。

【特集2】その他・海外のピアノメーカー

  • グロトリアン
    創業1835年。本社はニーダーザクセン州のブラウンシュヴァイクにありましたが、第二次世界大戦の空襲で工場が消失。1940年に再開。創業当初からヨーロッパ各国の皇室・王室でも愛用されていたピアノだったということもあり、製造再開の際は各国のピアニストや音楽家から賛辞が寄せられました。
    作曲家シューマンの妻であったピアニストのクララ・シューマンが、その音色のすばらしさを気に入り、「私は生涯このピアノを弾きます」と演奏会のたびに持参していたというものが残っています。
  • イバッハ
    イバッハは1794年に創業された、ドイツで古い歴史を持つピアノメーカー。リヒャルト・ワーグナー、フランツ・リスト、エミール・フォン・ザウアー、マックス・レーガーなど偉大な音楽家にも愛されたピアノです。
    同社の工場はドイツ・デュッセルドルフ近郊のシュヴェルムにあり、優れた性能と優美なデザインのピアノを製造し続けてきました。イバッハはグランドピアノ、アップライトピアノの製造を行っていたことで知られているものの、1904年まではオルガンも生産していたという歴史があります。
  • プレイエル
    プレイエルは、1807年フランス・パリにてイグナツ・プレイエルによって創業されたピアノメーカーです。プレイエルはショパンに愛されたピアノとして有名。ショパンは1832年のデビューコンサートからずっとこのピアノを使い続けたといわれています。多くの名曲を世に残してきたショパンですが、その多くがピアノの楽曲。このことからも、このプレイエルがどれだけショパンにとって大きな影響を与えてきたかがわかります。もともと優れた音楽家であったイグナツ・プレイエルですが、フランス革命によって音楽活動が困難になり、プレイエル社を設立してピアノの製作を始めたのが、プレイエルの歴史の始まりです。
  • ベヒシュタイン
    稀代の天才作曲家・ドビュッシーに「ピアノ音楽はベヒシュタインのためにだけ書かれるべきだ」と言わしめたピアノ。ベヒシュタインは創業者のカール・ベヒシュタインにより1853年にドイツで創業されたメーカーです。
    ベヒシュタインのピアノの特徴としてあげられるのが、「透明感のある音」。この透明感のある響きを生み出す工夫のひとつとして、響板の構造があります。ピアノの背面左右にある除響板は響板内で振動が乱反射するのを避けるために取り付けられていますが、ベヒシュタインのピアノはこの振動効率をあげることで透明感のある響きを実現していると言われています。
  • タローネ
    「タローネ」のピアノは、その名の通りタローネという偉大な調律師の手によって作られたピアノです。タローネが目指していたのは、イタリアの文化ともいえるヴァイオリンのような音色。演奏者側に立った視点で作られており、さまざまな芸術表現ができるピアノとなっています。タローネピアノの特徴の一つとして挙げられるのが、ピアノの響きを左右する「響板」と呼ばれるパーツ。このピアノには、手作業で淵を薄く削ぎ落とされた、高い技術を感じられる響板が使われています。この部分からも、音色に甘さや優美さを加えるための職人技を実感することができるでしょう。
  • リーガークロス
    「チェコの名器」とも称されるリーガークロス社のピアノ。同社は、ピアノマイスターであるヨゼフ・ブロールウェックとピアノ設計者のミロスラフ・タウチマンにより1871年にプラハのイフラヴァという都市で設立されました。
    同社のピアノは、製作過程の最初から最後までをただひとりのマイスターが手がけるというこだわりを持って作られています。ピアノの重要なパーツである響板には、透明感のある音色を生み出すボヘミアンスプルースを使用している点も特徴です。鍵盤や響棒にも同様の部材を使用することによって、多くの人を魅了する音色を奏でるピアノとなります。
  • シュタイングレーバー&ゼーネ
    フランツ・リストやリヒャルト・ワーグナーを筆頭に、多くのピアニスト・指揮者・声楽家などが愛用していることでも知られている、シュタイングレーバー&ゼーネのピアノ。ドイツのバイロイトに工房を置く小さなピアノメーカーであるシュタイングレーバー&ゼーネは、1820年代にチューリンゲンでピアノの制作を始めたのがその歴史の始まりといわれています。
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