ピアノの設置方法
ピアノを設置する際に気をつけたい点
ピアノを購入して自宅に設置するにあたり、より使いやすい場所に設置するために気をつけたいことがいくつかあります。
以下に設置の際に気をつけるポイントについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
床の補強
電子ピアノは重量が軽いのでどのような住宅でも設置しやすいですが、アップライトやグランドピアノはとても重いです。そのため、床がしっかりしている場所でないと抜けてしまうなどのトラブルが発生する可能性があります。
2階は床が弱い住宅もあると思いますので十分確認した上で設置すること、また床が薄い、弱い床に設置する際には補強などの対策をした上で設置してください。自宅の床が弱いかわからない場合は、賃貸であれば管理会社、戸建てであれば建築したハウスメーカーなどに問い合わせてみましょう。
防音対策
ピアノは音がうるさく近所迷惑になってしまうと思いがちですが、夜遅い時間に弾かないようにするなど、ちょっとした配慮があれば大きなトラブルになることはありません。
また、ピアノを設置する場合は部屋の内側に向けて設置するだけでも音が響いてしまうことを防げます。
空気中の音の伝達は1mの距離でかなり減衰するため、例えばマンションの場合、隣の部屋側にピアノを設置するのではなく、自宅側の壁に設置すれば、音が響きにくくなります。
アップライトピアノを設置する場合
アップライトピアノは後ろの響鳴板から音が出るので、響鳴板をふさげば音は小さくなります。壁に近づけて設置すると音は小さくなり、壁から離して設置すると音は大きくなります。
高価な防音パネル等を買わなくても、何か家にある物、例えば、毛布、マットレス等で響鳴板をふさげば、かなり音は小さくなり、十分効果はあります。
ピアノと壁の間に防音マットを抜き挿し出来るようして、時間帯によって使い分ければとても便利です。
さらに、ホームセンター等で売っている物を利用して、吸音材をピアノの裏の柱と柱の間に詰め、カッターなどで簡単にカットできる発泡スチロールや断熱材の板で響鳴板をふさげば、ほとんど音は出なくなります。
ピアノの上部もスペースを取る
特にアップライトの場合、ピアノの上に棚を設置する人も少なくありませんが、アップライトは屋根を開けて調律を行なうので、棚を設置する際にはピアノの上を40cmくらい開けて設置しましょう。
棚の下部とピアノの一番上の部分に40cm位のゆとりがあれば、調律の妨げになることはありません。
手前側にも十分なスペースを取る
椅子を置く面のスペースは、ピアノを弾く際に引きづらくない程度のスペースに加え、調律しやすいようさらにゆとりを持って設置しましょう。
特にグランドピアノの場合、アクションを手前に引いて調律を行ないますので、広めのスペースが必要です。
エアコンとピアノはできるだけ離して設置
エアコンはピアノの調律に大きく影響するので、位置関係には注意が必要です。
特に暖房の場合、暖かい空気は上に上がってしまうため、ルーバーを下向きに設置しますよね。そこにピアノがあると、温風が直接ピアノに当たってあっという間に調律が狂ってしまうだけではなく、塗装のヒビ割れの原因にもなりますので、エアコンの真下にピアノを設置することは避けたいです。
できるだけエアコンとピアノは離れた位置に設置し、またエアコン使用する際は風向きを変えてピアノに直接風が当たらないようにしましょう。
照明との位置関係にも気をつける
上から吊り下げて使用する照明をつけている場合、ピアノのすぐ側に設置すると調律師がピアノの前に立った際に頭をぶつけてしまうなどの恐れがあります。
楽譜を読みやすいように、ピアノの側に照明を設置する人は多いと思いますが、調律師の作業効率を考えた設置をするように心がけたいですね。
ピアノ専用のスペースを設ける際もゆとりを持って
住宅を建築する際に、アップライトピアノを設置するための専用スペースを設ける場合も、ピアノのサイズぴったりに設置するのではなく、ゆとりを持ったサイズで設けましょう。
右側にスペースを空けるのはもちろんですが、身長が高い人がゆとりを持ってピアノを弾くことができるよう、椅子を置く部分も大きくスペースを取ることをおすすめします。
また、練習中に背伸びをする、肩のストレッチをするということもあるかもしれません。大きな動きを行うことを想定して、よりゆとりを持って設置することが望ましいです。